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カナダ犯罪見聞録

私自身、又は私の周りで起こった主に金にまつわる犯罪の実態を報告します。
恥をさらすようで恥ずかしい話ですが、被害者はかく語りき!!(^-^;)
同じ目に遭わないよう日ごろから警戒心を養って下さい!



SCAM ARTIST

6月某日曜日。その日は買い物でダウンタウンをうろうろ歩いていた。時刻は4,5時くらいだったろうか、パシフィックセンターのATMで確か数百ドル程お金を下ろした。日曜の夕方に差し掛かってた事もありややビジネス色の強いあの一帯は人気がそんなに無かった(日曜の夜は店が閉まるのが特に早い)。金を下ろした後外に出て、そこに信号が無かったので車の間隔を見て道路を横切った時、一人の男性が一緒に道路を横切った。カジュアルスーツを着たその中年男性は話かけるような独り言のような感じで私に向かって喋ってきたのだった。

彼が言うには、彼はつい数日前イランからやってきた数学教師で、来週からUBC (バンクーバーにある大学。カナダでも屈指のハイレベル・大規模校として知られている)で数学を教える予定だとか。服装がきちんとしていて優しい笑顔の持ち主。確かに見た目若干インド系かなと思うような褐色の肌の男性。英語にもかなりアクセントがあったのでカナダに来たばかりと言われても不思議じゃ無い雰囲気だった。
ちょっと困った様子の彼は財布を盗まれたんだと私に言ってきた。そして財布には免許証が入っていたので、車を運転できなくなってしまったと言う。車はパシフィックセンターの駐車場(我々が会った場所のすぐ側)に駐車してあり、警察にも聞いたんだけどどうにもならないとかなんとか言われたと言う。来週からUBCで教えなくちゃいけないし、今日はVictoriaに帰らないと行けないらしい(ここら辺よく聞き取れなくて理由がよくわからなかったのだが、とにかくその日中にビクトリアに行かないといけないらしい)。

で彼はまず私に、少し車を運転してもらえないかと聞いてきた。細かい話忘れたけどどこかまで車を移動すればなんとかなると言う。ところが私はその際に国際免許を所持してなかったしカナダ来てからまだ運転もした事ないので断った。
そしたらちょっと考える様子を見せてから、それじゃあフェリー代だけ貸してもらえないだろうか・・ と言ってきた。片道$45くらい必要らしく、来週ならUBCで授業があるので、都合のつく日にお金を返せると言う。来週水曜以降ならOKなのでUBCに来て欲しいとか。私は身分証明書を見せてくれと聞いたのだが、財布を無くしたので今は持って無いと言う。

ここまでの状況を冷静に考えると、こいつ明らかに怪しさ100%なおっさん・・でも私はUBCの関係者と知り合いになれるきっかけという考えと、清潔感があり笑顔がマイルドなこのオヤジをあまり疑おうとしなかったのです。これが大失敗。後で振り返えれば自分でも危険な状況ってのはわかるのに。
しかし、もしまた会えればいい出会いになるし$45くらいだったらいっか。。。と考えお金を貸すと答えたのです。そしたらもちろんこのオヤジは大喜び。私を抱きしめて感謝してきました。で私がもう一度値段を確認したら、出来ればフェリーの往復運賃で$90あると助かるって言うので(これも後で考えれば理由がよくわからんが)、ATMで金を下ろしたばかりでたくさん現金を持っていた私は「じゃあ、はい」って感じで$90を渡してしまったのです。
で、連絡先を交換したのだが、書いてもらった携帯の番号は今すぐかけても繋がらないとか(車の中にあるからとか電源がどうだとか言ってたかな)。名前もよく読むとモハメッドとかで典型的な名前だったりするし。もしこいつが日本人だったら山田太郎さんだよな、きっと。別れ際に再度ハグして、二人は笑顔で別れましたとさ。

で結果は明白ですが、電話番号はnot in service。向こうからの連絡も無し。UBCにも確認とろうかと思ったけど、あまりにあからさまなんでやめました。金を後で返すつもりの人だとしたら矛盾が多すぎる。。
この件についてはまず私の自己防衛意識の欠如が大きな原因でした。ちょっと冷静に考えればお金を貸せる状況で無いのは明らか。しかしもし私が運転をOKしていたらもっと大きな被害に遭っていた可能性も一つ考えられる。
後で知ったのだが、当時私が通っていた会話クラブで同じ手法(恐らく同じ男)にだまされた留学生がたくさんいたらしく、クラブが後で注意を喚起していた。恐らく被害者全体は大きな数になるかもしれない。要は被害者は英語がまだ十分に話せない・聞き取れない留学生って事ですね。
ちなみにこういう手口で金を盗むいわゆる詐欺師をcon artist又はscam artistとか言います。また金を騙されて盗まれる事をbe ripped offと表現します。あまり覚えたくないボキャブラリだったけど、忌まわしい記憶と共に完全に自分のものになりました(笑)




デビッドカード

日本でも普及し始めてると思いますが、デビットカードはとても便利です。現金を大量に持ち歩く必要が無いし、利用履歴が残る。手数料は無いしクレジットカードのようにサインは必要無いからレジでもスムースに処理が終わります。インターネットで履歴を確認出来るから、私は多少大きな買い物の際は積極的にデビットを利用しています。

こんな快適デビット生活を営んでいた私に先日私の愛用銀行TDTrustから突然電話があり「12月某日、あなたはコキットラムで自分の口座から二回$600を引き落とそうと試みましたか?その後$500を引き落としましたか?」と尋ねられた。私の口座のプランはATMだと一回最大$500までしか引き落とせず、一週間で最大$1000までしか引き落とせない。(それ以上引き落としたい場合はIDを持参して窓口でおろさないといけない)だから当然私は$600を引き落とそうとする訳が無く、生まれてこの方コキットラムにすら行った事が無い。
更に銀行の担当者は続ける。「我々はTDTrustのセキュリティ担当で、口座からの異常な引き落とし等を監視している。あなたの口座で限度額$500以上の引き落としを複数回試みたのでセキュリティ上の問題で現在あなたの口座は閉鎖されています。新しいカードをご自宅に送付するので、それまでご不便をおかけします。詳細は最寄の銀行にお越し下さい」みたいな事を言われた。

この時点で誰かが私のカードを偽造してATMから金を下ろそうとしたんであろう事は容易に想像できます。しかも引き落としの暗証番号まで知ってるって話になるじゃんか!口座には大金を預けているので、正直少しぞっとしました。
この電話を受けた時点では詳細を理解出来なかったのだが、誰かが実際に私の口座から$500の引き落としに成功したのだが、銀行側がこれを犯罪と察知して$500を返金したようだ。実際後で履歴を見てみると、$500が盗まれた翌日に銀行名義で$500が入金されている。なんて対応の素早い!二週間程あとで銀行から事情を説明した手紙が届きました。

結局私の場合被害はゼロだったのですが、バンクーバー全体で被害者は相当数に上るらしい(恐らく数百かそれ以上、新聞記事に載ってたらしい)。聞いた話だとTDRoyalBankの利用者が被害に遭っているそうです。
想像するにこれは組織的な犯罪と想定出来るでしょう。次に示すクレジットカードの例も同じ手口ですが、この犯罪を実行するにはアクセスカード(日本で言うキャッシュカード)の磁気情報と、Pin番号両方が無いと実行できません。どっかの店で買い物する時にカードをスキャンされたり、Pin番号の入力装置に入力番号を保存する仕掛けを作ってたり、また単純に人やカメラがPin番号を見て盗んでいたり。学校の先生が言ってましたが、以前どっかのATMマシンにカードの磁気情報とPinコードを両方とも盗む仕掛けをした犯罪があったそうです。恐ろしい・・。ロシアのマフィアがカナダに進出してるって話も聞きます。自分の「金」は自分で守る・・これをもっと意識して理解する必要がある時代になってきそうだ。

デビットカードを頻繁に利用する人は口座残高や引き落とし履歴を一度チェックする 事をお薦めします!また心配な人はアクセスカード(キャッシュカード)のPin番号を変える とか、カード自体を変えるよう銀行に依頼するのも効果があると思います(簡単に出来るはずです)。
またデビットカードで買い物する際は店員がカードを二回スキャンしたりしないか、二つの機器でカードを読み取ったりしてないか注意しましょう 。それをされた時は何故そうしたか理由を聞く事、またその後はPin番号は絶対入力しない事。現金で払うか買い物をキャンセルしましょう。




クレジットカード

これは私のルームメイト(韓国人)の体験談です。名前はダニエルと言います(どうでもいいんだけど)。彼はカナダに来て一年以上経つが、クレジットカードを使ったのは2,3回しか無い。つい先日現金を引き落とす必要があり、クレジットカードを利用してATMマシンから現金をキャッシングした事があったそうだ。
そして数日後彼がインターネットでクレジットカードの利用履歴を確認した所、記憶の無いキャッシングの履歴が入っていたそうだ。金額はなんと500カナダドルを4回。日本円で15万円以上!彼はずっとバンクーバーに住んでいるのだが、利用履歴はCIBC銀行のATMで2分以内に4回のキャッシングとなっていた。この銀行には彼はアカウントを持っておらず、単純にATMマシンとして誰かが使用したようだ。
このケースも先に挙げたデビッドカードと同じパターンの犯罪と言えるでしょう。

普段から殆どクレジットカードを利用しない彼は当然驚いて、クレジット会社(韓国)に連絡をして調査を依頼したそうだ(結果が出るのに最大50日かかると言われたそうだが、一週間程で返答が来た)。クレジット会社の言い分では、引き落としは暗証番号を利用して実行されているのでこれが本人なのか犯罪なのかの判断が難しく、会社からの返金は基本的に出来ないんだとか。本当に自分では引き落とししていないって言うなら誰かがPin番号を盗んだ訳で、これはクレジット会社よりも利用者側の責任になります・・・みたいな事言われたようだ。ひでえ!
引き落としがされたCIBC銀行にも問い合わせをしたそうだが、いい答えは無かったようだ。まぁCIBCにとってはATM機を利用されただけで自行の口座じゃ無いし他人事のように聞こえるかもしれないが・・・。

正直言って、被害者の立場からはクレジット会社、及びATMで利用された銀行に強く調査を要求する権利はあると思います。CIBCはATMコーナーのカメラ等で犯人の映像を持っている可能性があるし、クレジット会社は顧客が自社のサービスを利用した犯罪被害に遭った訳だから誠意ある対応を求められなければいけない。何もわかりません・出来ません・・じゃ被害者の怒りは収まらん。最悪警察や弁護士に依頼するとかして調査をすすめる事は可能じゃ無いだろうか(ちょっと話がでかくなりそうですが)。また情報を盗まれた時に利用したと思われるATMマシンがわかっているならばその店や警察にクレームをつける手もあります。
ところが実際彼は警察に報告したのだが、この手の犯罪は何千件も起こっており、被害額$5000以上で無いと警察は取り扱わないと言われたらしい。これもまたひどい話だ。。
しかしケースによっては取られた金額が戻ってくる可能性もあります。クレジット会社は普段の顧客のカード利用パターン等を知っているので、突然異常な利用があった場合は犯罪性が高いと察知できる訳です。実際にこのパターンで盗まれた金がクレジット会社から戻されたケースもあると別の友達から聞いた事があります。個々のクレジット会社の誠意の違いだけなんでしょうかね・・?

一つの防御手段としては、デビッド等他のカードにも言える事ですがキャッシングの利用可能金額を最低額に抑える(数万円程度)ってのが一番強いでしょうか。またキャッシングではコンビニやスーパー、路上に設置してあるATMは利用しない事。どうしても必要があった場合はせめて銀行のATMを探して使いましょう。ちなみに私のルームメイトはVancouver, Downtown, Davie St.にあるセブンイレブンのATMを利用しました。とりあえずあそこのATMは利用しないほうがいいでしょう・・^^;



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