あなたの語学留学の目的はなんですか?海外に行けば英語は伸びると思いますか?どうやったら「語学留学」で英語を伸ばせるのかを考えます。
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◆管理人の留学も斬る!後編(12ヶ月)

さて引き続き管理人の留学を斬り続けます(笑)トータル1年八ヶ月の留学期間うち、後半の約一年間について語っています。 長いですが、物好きな人はどうぞお読みください・・・


■バンクーバーを離れる
八ヶ月間で二校の語学学校に通った後、バンクーバーからやや離れたアボッツフォードという片田舎のカレッジ付属ESLに通う事になりました。ここに来た理由は、まず元々カレッジや大学で学部の講義をとりたかった(あくまで語学留学の延長として)という当初からの希望が一つ、そしてもう一つは日本人・韓国人まみれのバンクーバーから離れ、ままごとの様な留学生同士のなんちゃって英語環境から少し離れたかった・・という気持ちでした。

あの状況に自分を置いていると、直面するのはただただ上達伸び悩みのスパイラル
非常に低いレベルで英語が自然に上達するのを待っているかのような感覚..
ぬるま湯の中に身をおき自分を見失いそうな状況に対する疑問..
基礎は八ヶ月も学んだ。そろそろこの楽しい街から離れてみようかな・・・と。

あわよくば大学でDiplomaかCertificate位でもとっておきたい・・と考えていたが、TOEFLを受けていなかったので付属ESLからレベルアップしてそのまま学部に入れる学校を選び、まずそこのESLから始める事にしました。

田舎のカレッジ付属とは言ってもESLへ行けばやっぱり留学生の輪に入る訳で、当然日本人もいるのである。しかし実際ここに引っ越してからは日本語を話す機会は極端に減り、一週間でも話した事が数回あるか無いか・・というレベルになった。(意図的に日本人に近づかなかった・・という事もあるが、日本人自体も少ないので気持ち次第で英語のみの環境はいくらでも出来る)


■付属ESLで更に基礎から・・文法の重要性
大学・カレッジ付属のESLは、学部へ進学する為の準備コースという位置付けがあるので、学部で最も必要とされるエッセイの技術がコースの柱になります。会話クラスもあるにはあるのだが、文法クラスが最も単位数が多く、その他リーディング、ボキャブラリのクラスも必須となっている。これらのクラスもやっぱり「エッセイの技術」が最終的な到達点であり、その脇を固める為の布石となっているのだ。

このカレッジへ来る前に語学学校でさんざん文法クラスもとっていたので
「けっ、今更文法なんか基礎からやってられっかヨ( ゚д゚)、ペッ 」
ジャパニーズは文法につえーってんだよ、コラ


という気持ちが、ぶっちゃけありました。ところが私の場合このクラスでいい成績(A以上)をとらないと学部進学の予定が大きく狂うので、思いっきり文法を真剣に取り組まざるを得ませんでした。超基礎だし、知ってるし・・という奢りをなくし、少しでも「理解の抜け穴」が無いかどうかにだけ集中して取り組みました。そうでもしないと毎クラスの小テスト、中間試験・期末試験などトータルでA(90〜95%以上)なんてとれましぇん。

運が良かったのは、担当の教師がとても真面目で厳しい先生だった事だ。こりゃ良い成績とるのも楽じゃねーな・・という思いもあったが、だからこそ基礎を甘く見ずに取り組む姿勢が生まれた。実際、この厳しいクラスで一通りの文法を四ヶ月間学び続け自分の文法理解がいかに中途半端だったかを思い知らされた。日本で大学受験も経験し、そしてカナダの語学学校で4ヶ月以上文法のクラスをとっていたのにである。ここまでしっかりした授業は私立ESLでは受けられないだろう(出席率、毎回の小テスト、試験、成績・・といった管理項目は語学学校の一般ESLでは現実問題として設定出来ない)。この授業でとったノートは今は自分の文法バイブルである。成績もA+を無事にいただきましたヽ( ´¬`)ノワーイ


■ネイティブとの関わり
ESLではもはや会話上達を望めないので、ここに滞在している間何度かチューターをとった。正直言って満足行くほどのチューターには出会えなかったが、「教わる」という姿勢は諦めて「自ら毎回質問やネタを持参する」という方針で望んだ。ホストや普通の知り合いに単純な英語の質問はしつこく出来ない。だからこそ細かい疑問も気持ちが晴れるまで聞けるのが教師やチューターの利用価値なのだ。知り合いとチューターの違いをはっきり理解し、お金を払ってる分利用しなきゃ損だ。私の場合、その頃はまっていたドラマ「フレンズ」のスクリプトから気になる表現を拾ってきては繰り返しよく質問していた。

その他関わりを持ったネイティブはなんと言ってもホストファミリー。ホームステイでは無く単にベースメントを借りていたのだが、一年間滞在する中でとても仲良くしてくれました。小さい三人兄弟のいる賑やかな家庭で、彼らとは毎日の様に会い、そしてホスト夫妻や子供達の日常会話から「生きた表現」をたくさん盗んでいきました。私の子供好きも手伝ってか3人兄弟とはよく遊んだ。しかしトランポリンで遊び始めると彼らは突如無敵に!私の体力はトランポリンでいつも吸い取られていきました(^^;)

また近所にカナディアン・日本人夫妻が引っ越してきて、彼らとも非常に仲良くなった。カナディアンの旦那さんは日本語ペラペラなのだが子供の教育上もあって英語で話しており、私とも常に英語で話してくれたのでした。彼は現地の高校で日本語教師をしており、一度「ネイティブ日本人」として授業に参加させてもらいました。いや〜あれはよい経験になりました。学生達の楽しそうでのびのびとした姿を見て、高校生に戻りたくなった。

また学校で斡旋していたLanugage Exchangeに登録して、日本好きの会話パートナーを紹介してもらった。彼の名はケビンと言い、日本人の彼女もいるとの事で(当時は遠距離恋愛中)なかなか盛り上がりいい話し相手になってくれました。お互いスラングを教えあう、よくあるパターンに突入しましたが・・^^;

その他にもボランティアに参加したり学部に進んでからはクラスメイトと話したり、ホストのつながりで出会ったり人など、浅く広く色んな出会いがありました。


■学部の授業
さて念願かなってやっと大学の授業をとる事が出来ました。学部に入る以前も単科目でとれる専門コース等(簿記やエッセイ等)を幾つか受けてはいたが、これが始めての本格的な学部の講義。しかし資金や時間的な問題もあり1セメスターに限定して通う事にしました。

あたりまえだがESLと学部では世界が全く違う。授業の目的が違うので当たり前だが、だんだんESLの授業がままごとの様に思えてくる。教授のレクチャー、ハンパでない読書量や課題の多さといったプレッシャー・・。留学生には特に初めのセメスター〜一年間程度は辛く感じる事が多いようだ(勉強は学年が上がるほど大変だろうが)。圧迫を感じるのは単に語学上のハンディや勉強量だけで無く、生徒とのコミュニケーションの難しさも要因となりうる。とにかく留学生をへこませる要素は多い。これにくじけて目標レベルを落としたり、挫折して留学を中断したり・・という人も実はいるのです。しかしこの猛烈な圧迫の下だからこそ学習量も増え、あくまで「道具」である英語力も自然と伸びる。とにかく吸収力がアップするという実感があった。

しっかし大学生の言葉は本当に聞きづらい。先生のレクチャーは一応まともな英語を使うしずっと聞いてれば慣れてくるのでまぁなんとかなるが、生徒の会話はスピードが恐ろしく早い上にESLでもあまり習わないような表現(というかスラング)連発な訳で、彼らと話す時はアップアップの時が多かったわ(^-^;) 集中力を保ってないとすぐに右から左へ・・という感じ。大学の授業ではディスカッションが非常に多いのだが、ここで議論に参加するにあたり留学生は非常にシャイになる。グループディスカッションの時も留学生はほとんど無言のケースが多い(一年のクラスだったので溶け込めきれて無いせいもあったかも)。全員ネイティブスピーカーの中で一人だけ下手な英語で自分の意見を相手に伝えるのはなかなか勇気がいるもの。私も「ん〜うまんく溶け込みにくいなぁ」といった感覚も持ったり、意見を出し合う場面で積極的になれなかった時はよく自己嫌悪に陥ったものだ。授業が進めばグループワークも増えてくるので時間がたてばだんだん慣れてはきますけどね。

▼学部生活で得る英語力とは
このESLとは全く異なる環境で学んでいて伸びる英語の中身だが、まず何と言ってもボキャブラリである。履修している授業の分野にやや偏るかもしれないが、あれだけテキストを読まされたらボキャブラリもアップせざるを得ませんわ。とは言えテキストからだけで無く
・講師などが使うやや堅い言い回し
・学生の使う自然な日常英語
といったOral Englishのボキャブラリ(イディオムやフレーズ等の表現)も、耳を澄ませばそこにはたくさんある。これらを耳にするたびに「それもらったぜ!」と心の中で叫び、せっせと自分の表現にしていきました。とくにレクチャーは同じ先生の喋りを何度も聞くわけだから、その人が口癖の様に使っている言葉などは自然と自ら口にするようになる。

そしてリスニングも気づかないうちに自然に伸びる。聞き取れないと肝心の勉強が進まない訳だから、うまく聞き取れずに他の生徒から遅れを感じると焦る焦る(^^;) まぁ同じ先生のクラスをずっと受ける訳だからこればかりは慣れというもの。色んなクラスで色んな講師の英語を本気になって聞き取る訳だから、意識せずともリスニングは伸びます。

さてスピーキングだが、学部で学ぶからと言ってネイティブとの会話が増える訳では決してなく、こればっかりは課外でいかにネイティブとの会話を増やすか・・という事だろう。授業内はレクチャーかグループワークが中心なので、会話の練習・・といったのんびりした事は言ってられない。ぶっちゃけ、会話の伸びは学部だろうがESLだろうがあまり変わらない気がする。学部にいる留学生の英語は決してうまい訳でも無い。会話の伸びは環境では無く、要は自分がその為にどう行動するかなのです。

という事で、英語の勉強では無く何かをする為に英語が必要・・という環境にたてば、その伸びや吸収力というものは格段に高くなる。英語に目的を置かず本当に自分が学びたい物を英語で学ぶ事が、実際のところ英語力アップの一番の近道なのだろう。付け加えて試験や成績といったノルマ&プレッシャーが自分を突き動かす。


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