元留学カウンセラーのメモ帳



2004年に、カナダ現地留学エージェントのトロントスタッフ(一人)としてサービスの立ち上げを経験した管理人が、その時の事を振り返りながらメモを残していきます。
当時はホームステイや空港ピックアップの体制作り、学校取材、HP作成、カウンセリングやオリエンテーション、入学手続き・・等など、一般的な業務から始まりけっこう泥臭い事までやりました。カウンセラーと言うより何でも屋という感じで当初は大変でしたが、全てが貴重な経験でした。こんなわたくし管理人が、現地留学業界の裏話?をここでぶっちゃけております。ぼやきが多いかも。
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エージェントの役割
6/18/2005

一年間エージェントの仕事をしていて、エージェントのあり方について考えた事があります。それは、筋を通そうと熱意を持って仕事していると出てくる葛藤。これって私だけかな?

留学カウンセラーは、学校選びから留学プラン全体までの様々なアドバイスをお客さんへ行い、学校選びの手助けをする事が役割と考えていいでしょう。カウンセラーは各学校の評判や実態を厳しい目で監視し、評価の低い学校は客に紹介しません。つまりエージェントのサービスは常にお客さんの方向を向いています。お金を払うのはクライアントですから、ビジネスとして当たり前の話。学校へは、ただ厳しいチェックの目が向いています。

ここで学校とエージェントの関係をよく考えてみよう。エージェントとは「代理店」、つまり学校に代わって営業をするのが役割。「あなたの学校を頑張ってプロモーションしますよっ!(`・ω・´)」と学校の前では意気込む訳です。学生を獲得するために学校と手を組み、場合によっては学校にもアドバイスをしながらスクールの質をあげ、一緒に利益をあげていこうとするのです。

ところが留学業界(主に現地エージェント)の実態は、エージェントはとにかく色んな学校と片っ端から契約を結ぶ。そしてラインナップを揃えてから、クライアントへカウンセリング・・となる訳です。つまり学校にはプロモーションする事を約束しながらも積極的に売り込む訳では無く、場合によっては「この学校はあまり評判がよくない」とむしろ客を遠ざける事も言う訳です。代理店業の筋から考えると背任行為?とも受け取れかねない。

学校との関係だけ考えると本来のエージェントって、特定の学校とだけ契約して、その学校のプロモーションに全力を注ぐもんじゃないんだろうか??・・・とたまによぎってしまうのです。各学校とは一緒によいビジネスをしていきましょう・・みたいな話をしておきながら、単にラインナップを揃えておくだけの「受身」の営業。結局エージェントは金儲けの為の「駒」を用意するだけなのだ。これはお客さんの利益を考えると自然とこういうスタイルになってしまうだろう(もちろんそれが自らの利益にもなるのだが)。また学校の「駒」をたくさん用意しておかないと、現地エージェント業界での競争力に影響が出てしまうし、客を逃しかねない。
私はエージェント時代、学校との絆を深め半ば一体となって仕事をしていきたいと思っていた。しかし契約校数が増えすぎるとそんな事が出来るはずもなく、少々の葛藤があった。

学校のスタッフも、エージェントは多数の学校と契約を交わしている実態をよく知っています。しかし学校の立場として営業網を広げる事は至上命題。例え駒の一つであっても、その駒にならざるを得ない。どちらかというと学校の方がエージェントよりも弱い立場にあるとも言える。こうしたクライアント、エージェント、学校の三者をとりまく図式が出来上がっており、更に学校は高いコミッションを強いられながらもエージェントと契約をしてゆくしか方法は無い。こういった業界の体質を学校側が喜んでいる訳は無いが、変える事も生半可な事ではない。一番甘い蜜を吸っているのはエージェントである。だから現地にはあんなにエージェントが溢れかえっているのだ。

まぁ特定の一校だけプロモーションする「生粋のエージェント」は儲けにくいので、ビジネスの側面から言えばあり得ないだろう。多くても10〜20校程度を扱い、ビジネスを大きくする必要性も無いのなら十分やっていけるか。
私の理想としては、無秩序に多数の学校と代理店契約をするのでは無く、調査を元に厳選した学校(少なくともある程度の需要をカバーする数)に絞り代理店契約をする。そしてそれらの学校について、駒として揃えるのでは無く、プロモーションに近い形で営業を行うのが筋ではないかな・・と考えたりしてます。ここで重要になるのは、タッグを組む学校をどこにするかである。「良質で選ばれた学校」を用意しないといけないので、エージェントの眼力が問われる部分だ。

例えば学校一つ一つをトヨタの車種と捉えると、トヨペットやネッツみたいに特定車種だけ取り扱う販売代理店となる...みたいな感じ?いや、ホンダのクリオ、プリモ店みたいな・・?あ、どうでもいい?


嬉しいときぃーーーー

今日は、エージェントをしていた頃の「嬉しいとき」や「悲しいとき」を回想してみようという事になりました。読む時は、”ガブ飲みコーヒー”で印象に残る「いつもここから」風に読んでください。…フルッ

■嬉しいとき・・ステイの入居日、ホストと会って学生が嬉しそうだった時
ステイ入居日の学生の反応は様々ですが、ホストファミリーと出会って学生がとても嬉しそうだった時。この時は私も何故か涙が出そうなくらい嬉しいです。一番癒される瞬間。帰宅した後のビールがうめぇ(笑) この嬉しさは、良い出会いを作れたのかも、、という思いがどこかにある為だと思います。ただ毎回こういう訳にはいきません。
■嬉しいとき・・ステイ先を紹介した学生がホストとマブダチになった時
学生はステイ先から引っ越したのに、今でもホストと会っている、一緒に遊びに行く、ホストが日本に遊びに来る・・といった話を聞くと、ステイ関連のストレスも全て吹っ飛びます。紹介してよかった・・と感じる、この仕事の冥利に尽きる瞬間。
■嬉しいとき・・紹介した学校でそのまま学生が延長をした時
紹介した学校を気にいって、何十校もある他のESLに興味も示さずそのまま延長してくれる事があります。学校と相性がよかった、気に入った・・等の感想を聞くと、ああ、ここを紹介してよかった・・と、本当にうれしく思う時です。
■嬉しいとき・・帰国前にお客さんから一言お礼メールをもらった時
それを期待している訳じゃないが、もらって嬉しくない訳がありません。必ず返事を書きます。
■嬉しいとき・・またカナダ/トロントに来たい・・とお客さんから言われた時
カナダでいい時間を過ごせた証のセリフ。これも、無条件に嬉しいですね。
■嬉しいとき・・ホストに食事にご招待された時
私がご馳走に弱いという事もあるが、それ以上に、単なるビジネスという枠を超え個人的に親しく思ってくれる時は、ただ単純に嬉しいです。人との繋がりが海外生活の良さを深めてくれる。
■嬉しいとき・・タイプの女性がお客さんだったとき
私も男でございます、はい。かと言って他のお客さんと態度を変える事は無かった・・と思います。
■悲しいとき・・紹介した学校で学生がこっそり自分で延長した時
自分で手続きをする位ならヒトコト言ってくれれば嬉しいのですが・・信頼されてないんでしょーか...orz
■悲しいとき・・学校の感想がイマイチだったとき
パーフェクトマッチな学校にあたるのは以外と難しい。誰にでも学校に不満はあるもの。でもそれを聞くのはやっぱり残念。まぁ比較的よくある事なんでいちいちヘコんだりしませんが、別の学校だったらもっと充実した時を過ごせたんだろうか・・と考えたり。
■悲しいとき・・親しい学校の悪い評判を聞いた時
これでイチイチ悲しんでたらエージェント業やってられませんが、割と親しかった学校の聞きたくない実態、評判を聞くと、正直どこか疲れます。これは結構ある。学校は常に評価される側なのでしょうがないですが、「お宅そんな事してんのか」と思ってしまうのは残念です。
■悲しいとき・・学校スタッフが自分の名前を覚えていなかった時
学校は国内外の何十というエージェントとやりとしています。例え以前に一度会ったとしても頻繁に会う訳では無いので、久々に学校に出向くとエージェントという事すら気づかない事も・・。まぁ私も名前を思い出せない事はあるので気持ちわかりますが、自分を覚えてくれていないのはやっぱり少しサムイ。
■悲しいとき・・今のステイ先を変更したいと言われた時
たまにあります。残念ですがうまくマッチしなかったんですね。ただこういった状況で、どこに原因があるのか、これは様々です。対応もさまざま。
■超あせったとき・・空港ピックアップでターミナル間違えたときヽ(;´Д`)ノ
何度かやりました(-_-;) お客さんを空港で出迎える訳ですが、間違ったターミナルに行ってしまった事。着いてからフライト情報を確認をするのですぐに気づきはするのですが、ターミナル間は離れているので到着時刻が迫っているとかなり焦ります。お客さんにバレる事は殆ど無いですが、間一髪セーフだった事も。出発前にターミナルを調べりゃいいんですが、慣れからくる横着というか、油断してチェックしないんですよね。
ちなみに以前、乗り継ぎに失敗して3,4時間遅れになったお客さんと連絡がとれず、状況がわからないまま空港でやきもき・焦りまくりながら待ちぼうけ・・という事もありました。その時は結局ピックアップ出来ずに終わりました。これはまだ体制が整う前の話でしたが。不可抗力です。
■ガクブルだったとき・・情緒不安なホストにマジ切れされた時(((( ;゚д゚)))
詳細の事情は複雑なんで書きませんが、いい年して感情的にキレた人を目の前で見ました。直前まで笑顔で喋っていたので余計(((( ;゚д゚)))アワワワワでした。まるで洋画の1シーンみたいでしたよぉ。ボーイフレンドと別れた後とかで、情緒不安定だったという噂もあったが。。とにかくコワ!ちなみにこれ、入居して一日でステイ先を変えたお客さんの時です。ホストに原因があります。大変でございました。
■悲しいとき・・カウンセリングした人が別のエージェントを利用したとき
・・・ _| ̄|○ ガク


悲しいときぃーー 悲しいときぃーー・・・ 。・゚・(ノД`)・゚・。
BGM:パッヘルベルのカノン


ホームステイその1:ホスト探し
5/25/2005

私がエージェントをしていた頃で一番大変だったのは、なんと言ってもホームステイ全般の業務である。気を使いまくりで本業(?)のカウンセリングや学校取材の倍以上は気力消耗。さてこの業務の大きな流れは以下のとおり。

第一段階:ホスト探し⇒ホストの取材⇒ステイ先として確保
第二段階:学生とやりとり⇒複数のホストに問合せ⇒学生にも随時意向を伺う⇒ステイ先決定!

まぁうまく流れれば大きな手間も無くホスト決定まで至るのだが、条件の合うホストが見つからなかったり、行き違いやトラブルがあると途端に悩みの種になってしまう。日程が迫っているのにホストが決まらないと精神的プレッシャー急上昇。学生さんも落ち着かないだろうけど、こっちも (((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブルなのである。いつも落ち着かん。この仕事(ステイ手配)って心配性な私には合わないのかな・・とよく考えていました。ストレスでハゲが出来た日にゃ労災申告をして帰国したら即マープ21に電話ですよ。

こういった悩みの原因の一つは、持っていたホスト数の不足である。通常のエージェントや語学学校は数十から数百のホストを持つ。(当然ホスト側は複数の業者と手を組むのが普通であるが) ところが私のエージェントはそれまでトロント業務は一部サポート以外は殆どしてこなかった。前任の人(部分的なサポート対応)から引き継いだホストが約10件程度あったのだが、いつも満室だったり諸事情でホストを止めたりと、すぐに紹介出来そうなステイ先は結局5,6件ほどだった。はずれの無い良いホストが多かったのだが、本格的に業務を始めたらすぐ回らなくなるのは目に見えていた。

新聞に広告掲載をしてホストの募集をする事も一度は検討したが、正直あまり気が進まない。ステイ先の確保といっても、アポとって取材して・・と一件一件まわる必要がある。しかもホストにも当たり外れがあるので、取材したからといって即紹介出来るコマにはならない。新聞広告を出すと多く問合せがくると聞いていたので、他の業務も一人で切り盛りする私としてはすげぇ面倒そう・・というのもぶっちゃけありました(^-^;) ここは必要な数だけ少しずつ増やしていきたい所。また新聞広告から問合せのあったホストに「良ホスト」が多いとはとても思えない。私の学生時代を含めたカナダ生活の経験上、良いホスト宅はいつも学生が居て、空きがなかなか出ない。当初は短期のステイを予定していても、居心地のいいステイ先だと学生も長居するという傾向がとにかく強い(お金かかっちゃうけどねぇ)。人によっては半年や一年以上も同じホームステイに居続ける学生もいる。結果的にいつ問合せをしても部屋が空いていない・・空いたとしても数ヶ月先、、といった具合。契約している学校やエージェントも評判のいいホスト(トラブルの少ないホスト)に学生を紹介したい訳だから、問合せも絶えないだろう。
という事で、新聞広告に自ら問合せをしてくるホストは、確率的に「学生が長居しないホスト」が多くなるのではないか?ハズレが多いんじゃ取材の労力が無駄になる。(まぁ数打てば確率的にも良ホストを少しはゲット出来るだろうが)

ま、という訳で結局広告などは出さず地道にホストを探していき、なんとかまわせるようにまでなったのでした。具体的にはネットで探したり、知人や学生から紹介してもらったり、ホストが知人を紹介してくれたり・・とかなり地味に攻めましたとも、ええ。結果的にも「人づての紹介」がよいホストに会える一番の手段であった。また学校が手配したステイ先と個人的に仲良くなり、その信頼関係から専属のホストになってくれた家もある(要は横取りでございます)。個人的に信頼関係の築けたホストは最強である。フランクに話せる事がなにより重要。ホストも学生も満足してくれる事が多く、手配する私としてもよい経験だった。


おいおい、寮って・・?ヽ(゚Д゚; )ノ
5/19/2005

私立語学学校の中には「寮」という名前で住まいを提供している所がたまにあります。つまり学校所有の建物があって、そこに同じ学校の学生が何人も住んでいる・・という事ですね。食事は自分で用意する訳ですが、部屋代だけなので当然ホームステイよりも数百ドル安くなります。洗濯・料理を自分でやったりホストとの触れ合いが無いという違いはあるが、自由度は格段に高いし節約出来る可能性があるので、こっちの方がいいという人もいるでしょう。

公立のカレッジや大学で提供している寮は、我々が想像するいわゆる「寮」に近いケースが多いでしょう。他の学生と寮の建物で共同生活、食事は食堂・・というパターンもあります。まぁスタイルは学校により様々だとは思いますが。

で、くせものは私立語学学校所有の寮で、これは「寮」というイメージを持たない方がいいかもです。学校側はコンドとかレジデンスとか言いつつ、実際のところは単に学校が所有している普通の一軒屋で、要は単に学校が貸し部屋業をしているという可能性があります。その”寮”に住んでいた経験者にたまたま会ったので直接聞いたのだが、その家がまた古く、キッチンやトイレ、シャワーは男女兼用で一箇所を4,5人でシェアだったそうな。夜は風呂が混むので朝早く起きて使うなど(もちろん朝も混む訳だが)とても肩身の狭い思いをしていたそうな。場所は地下鉄駅から歩いて15分以上なので普通はバス利用。ロケーションは決して良く無い。それより腹立たしいのは家賃で、この最悪環境軒並み550ドルという相場を無視した額なんだと・・。



(゚Д゚ )ポカ━━━━━━━━━━ン


参考までに言うと、このレベルの住まいの相場は、貸し部屋で400〜500ドル程度です。500ドル以上もたくさんありますが、これらは駅近くだったり、家では無くコンドのシェアだったり、ほかロケーションや設備のグレードが良い場合が殆ど。プールやジム付きのコンドもシェアで500ドル台で住めます。ところがこの学校が提供しているボロ家は、ぶっちゃけ良くて一部屋400〜450ドル位のレベル。つまり550ドルも払うならもっといい場所・いい住まいに住める訳ですよ!これ聞いた時は私もかなり腹が立ちました。もうアホかとバカかと・・。その学校はビジネスと割り切って学生から搾取をしている・・という印象をぬぐえなくなった。例え寮を使わない学生さんでもこの学校はあまり紹介したくなくなってきました・・。っつーかこの学校の校長とも仲良くやっていたつもりだったので、余計イタかった。

いやね、たとえこの家でも、現地に居る人が視察して更に妥当な値段で提供していれば、もちろん入居を決めると思う訳です。しかしながら状況を知らない海外からの学生に、相場より高く払わせて、生活環境は相場以下というわながむかつく訳です。

この経験談はとある学校所有の家に住んでいた本人から直接聞きました。だまされた〜(# ゚Д゚) ムッカー って感じで文句・不満をたくさん聞き同情してしまったのだが、数か月分の家賃を既に払っており、引っ越したいのに泣き寝入り状態だったそうです。だって550ドルも払うなら、ダウンタウンのコンドとかでもシェア出来る訳ですから。でも決断するのはカナダに来る前なので、全ては学校からの情報と自分の想像力でしか判断できないのです。

という事で、学校所有の寮はお勧めできない場合があるので気をつけましょう。楽してそんな事をするより、YWCAや短期滞在出来る貸し部屋やホテルに一時滞在して、現地で自分の目で物件を探した方がよいです。ホステルも安いので一時滞在で使う人が多いが、渡航直後で荷物の多い時は正直あまりお勧めはしない。もしくは一ヶ月だけホームステイにして、翌月から部屋を探す・・というパターンですな(これが最もポピュラー)。
ただし、上記の経験談が全てのケースに当てはまる訳では当然ないだろう(ちょっとだけフォロー)。あくまで注意喚起でございます。

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