トロント
トロントの概要
ロケーション
オンタリオ州の州都であるトロントは五大湖の一つオンタリオ湖に面した、人口や経済規模をとってもカナダ第一の都市で、カナダ経済の中心地でもある。またオタワ、モントリオール、ケベック等へもバスで行ける距離にあり、アメリカではニューヨークやボストン、デトロイト、シカゴ等へも気軽に行けるなど、都市観光の中心地として非常に便利なロケーションなのが特徴。ちなみにオンタリオ湖は、原住民の言葉で「美しい湖」という意味に由来します。オンタリオ州の名前自体も実はこの湖から来ているのです。
人・文化
トロント市は現在のダウンタウンを中心とした一帯の事を指し約250万の人が住んでいるが、1998年に周辺5つの街と合併し大トロント地域(Greater Toronto Area:通称GTA)と呼ばれるようになり、GTAは現在600万人近い、北米ではニューヨーク、シカゴ、ロサンゼルスに次ぐ規模の大都市となりました。そしてトロントは人種のモザイクと呼ばれるカナダの象徴的な都市である。人口のおよそ半分は移民で構成され、90以上の民族が居住し、約80の異なる言語が話されています。トロント人口の4分の1が家庭では英語・フランス語以外の言語を話しています。移民も中国系をはじめとしてイタリア系、ドイツ系、オランダ系、ポルトガル系、インド系、ポーランド系など多数に上ります。トロントは国連でも「世界で最も多文化な都市」のひとつとして語り続けられています。実際に町を歩いていても英語以外の言葉を耳にする機会は非常に多いです。
気候
トロントは、夏は蒸し暑く、冬は北海道よりも寒いです。夏はトロント湖に面している事もあってか湿気が高くなり、温度も平均で20度を上回る事があるなど蒸し暑く感じる日もあります。一方冬の寒さは非常に厳しいです。トロントの緯度は北緯45度付近にあり、日本でいうと北海道の上端部辺りと同じ緯度です。冬は寒さが非常に厳しくマイナス20度に達する事もあり、平均温度でもマイナス4~8度といった寒さです。冬の間は雪が積もり、路面からなかなか雪が消えません。
しかしこういった厳しい寒さから家屋はレンガ造りが多く、セントラルヒーティングの暖房が完備された家が殆どで、室内に居てまで厳しい寒さを感じる事はあまりありません。(ただしベースメントの場合は一般的に寒い傾向がある)
またダウンタウンでは非常に地下通路が発達しており、1駅2駅ほどなら、地下通路を使って地上に出ずに歩く事が出来ます。
学校など
カナダ一の都市だけあって学校の数も非常に多くなります。語学学校の数はバンクーバーには劣りますが、それでも50以上のESLがダウンタウンにひしめきあっています。ESLは毎年潰れる所、生まれる所がありその数は常に変動していますが、一方カナディアン向けの専門学校も多岐にわたり数多く存在しています。留学生も条件を満たせばもちろん入学出来ますし、カナダ人も留学生に慣れています。またトロント周辺の大学やカレッジは、大学ではトロント大学、 ヨーク大学、 ライアーソン大学、 カレッジでは セネカカレッジ、 ハンバーカレッジ、 ジョージブラウンカレッジ等が有名。他にも数校が点在しています。
トロント空港(ピアソン国際空港)
空路でトロントへ到着した場合はLester B Pearson国際空港に着きます。空港には2つのターミナルが有るので間違えないように気をつけましょう(特に誰かを迎えに行く場合は事前にチェック!)。 ターミナル1はエア・カナダが主要航空会社として主に利用しており、国際便の多くはターミナル3に集中していますが、一部例外があります。詳細情報はピアソン空港ウェブサイトにて。なお空港には無料ターミナル間シャトルが頻繁に走ってますので、間違えた場合はそれを利用しましょう。(行き先がシャトルにより異なるので、何処行きか確認してから乗りましょう)空港からの移動方法
空港からダウンタウンへの移動方法はいくつかありますが、2015年に空港とダウンタウンのユニオン駅を25分で結ぶ鉄道路線、UPエキスプレス(Union Pearson Express)が開通。最も利便性の高い移動手段となりました。
料金の安さで選ぶならTTC(Toronto Transit Commission)というトロントの市バスが最もお手頃です。とはいえ、ダウンタウンへ行くには途中乗り換えが必要となり、バスの車内も狭いことから、スーツケースを持っての移動はおすすめしません。
<参考サイト>
UPエキスプレス...https://www.upexpress.com/
TTCバス...https://www.ttc.ca/
TTC(市バス) |
UPエキスプレス |
GOトランジット・バス |
タクシー |
|
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行き先 | ダウンタウン各所 |
ダウンタウン(ユニオン駅) |
トロント北部エリア |
最終目的地まで |
料金 | 一律$3.25(お釣りなし) |
~$12.00 |
~$5.55 |
$50~(+チップ) |
所要時間 | 約50分 |
25分 |
場所による |
ダウンタウン内は約30分 |
乗り換え | あり |
なし |
場所による |
なし |
利用方法 | 空港から192 Airport Rocketに乗車、Kipling駅に向かい、そこから地下鉄(Bloor-Danforthライン)に乗り換え。 | ターミナル1の3階にある乗り場から乗車。Weston-Bloor駅を経てUnion駅へ。約15分間隔で運行。 | ターミナル1の1階にある乗り場から乗車。ミシサガ・リッチモンド・ヒル・センター、ヨーク・ミルズ、ブランプトン駅行きなど。 | ターミナル1、ターミナル3ともに到着ロビーと同じ階にタクシー乗り場があるのでわかりやすい。 |
このバスの行き先Kiping駅はトロントを東西に横切る地下鉄Bloor-Danforth線の西端の駅ですので、ここからあなたの滞在先の最寄り駅まで地下鉄で行く事になります。地下鉄の地図はこちらを参照。Kiplingやその他大きい駅はエスカレーターがついていますが、上下片方向しか動いて無い場合もあるので注意して下さい。
●バス停の場所
通常出発ゲートの階にバス停があります。従って到着ゲートを出たら、出発ゲートの階までエスカレーターで移動しましょう。バス停には時刻表も張ってあるので、次のバスがいつ来るかわかります。時刻表にあまり正確では無いですが、だいたい20~30分間隔で走っています。
●便利なアプリケーション
RocketMan (最寄りのTTCのバス停に何番のバスが何分後に来るかをGPSで計算して教えてくれる)
Google Map (行き先の住所を入れて検索すると乗るべきバスの番号、所要時間まで調べる事ができます)
※トロントの空港はWifiを無料で利用する事ができますが、事前に自宅で準備しておくのがおすすめです。
空港で必ず見かけるリムジン!カナダのリムジンは非常に安く、ダウンタウン周辺へ行くだけならタクシーとほぼ同じコストで利用出来るのでお薦めです。乗り場は空港の到着ターミナルを出て同じフロアをそのまま進み、外へ出るとたくさんのリムジンが待っていてくれます。そのエリアは天井に左のような「LIMO」というリムジンピックアップの場所を示す看板があります。
リムジンと言ってもほぼタクシーのようなもので、少し豪華な黒い車で目的地まで連れていってくれます。座席もフカフカで気持ちいいです(^^) 荷物の出し入れもドライバーの人が手伝ってくれます。料金はトロントの地域によって予め値段が決まっており安心。だから行き先を伝えた時点で値段もわかります(聞かないと言ってくれませんが)。場所により30ドル後半~40ドル台後半あたりで比較的良心的(下手したらタクシーよりも安いです)。値段は人数は関係ありません。聞いたら乗車の上限はあったが、確か5人とか6人とかで有り得ない数だった。 チップも忘れないようにしましょう。サービスに特に問題が無ければ15%程あげるのが習慣です。支払いは現金でもクレジットカードでもOKです。
リムジン乗り場の様子(左)と運転手さん(右)
リムジンと同じくタクシーも滞在地まで直行してくれる便利さ、荷物の移動も手伝ってくれるので楽・・というメリットがあげられます。費用は場所によりますが、チップ混みで40~50ドルと考えてよいでしょう。ただ目的地がダウンタウンより東へ行けば行く程高くなり、逆に西へ行けば(空港へ近づけば)もっと安くなります。移動時間はダウンタウン周辺で30~40分と思えばよいかと思います。
(おまけ)エージェント・語学学校の送迎サービス
語学学校や現地の留学エージェントが提供している、いわゆる空港ピックアップサービス。日本の留学エージェントなら日本人が到着ゲートで待っていてくれる他、目的地まで直接運んでくれます。費用はだいたい50~100ドル。50ドルってのは稀に見ますが、かなり安いほうだと思います。費用だけ見ると他の手段と比べて高く印象があります。例えばタクシーやリムジンだったら100ドル払えばトロントから随分外れた地域まで行けちゃいます。しかしエージェントサービスは「自分の為に空港で待っていてくれる」「日本語が利用出来る(日系留学エージェントの場合)」「初めての留学で不安を取り除ける」という付加価値の対価なのです。初めてのカナダ・海外で英語も不安・・というような方が利用するとよいかもしれません。
トロントの交通手段
トロント一帯はTTC(Toronto Transit Commission)と呼ばれる公共の交通機関によって非常に発達した交通網が整備されています。主に地下鉄(サブウェイ)、バス、路面電車(ストリートカー)が町中を巡っており、トロント一帯なら車が無くても移動に困ることはありません。TTCのルートマップは以下のTTCのページからチェック出来ますが、地下鉄の改札ならどこの駅に行ってもハンディなサイズの地図を無料でもらえます。トロントに着いたらまずはこれを一つもらっておきましょう。
↑TTCオフィシャルマップの地下鉄早見表。拡大図はこちら。
まず乗車料金の払い方ですが、現金、トークン、一日乗車券、一週間乗車券、又はメトロパス(定期)、プレスト(IC乗車カード)が利用出来ます。トークンとは一円玉大の小さなコインで、日本で言うところの回数券にあたります。トークンを購入すると割引料金で乗車する事が出来ます。多くの人は20ドル札一枚で7枚のトークンとおつりという形で購入しています。ちなみに、3枚買っても50枚まとめて買っても同じ値段です。 一日乗車券は観光など一日で何度も乗り降りをする事が分かっている時に購入します。1枚12.50ドルで1日(翌日朝5時半まで!)何度でも乗り降りできます。また週末限定で同行者1人が無料で乗車できます。
一週間乗車券は一週間43.75ドルで一週間何度でも乗り降りできます。
プレストは日本のSUICAのような電子乗車カードで、乗車の際のみ自動改札機にタッチします。電子カードはオンラインもしくは最寄りの駅にて購入可能です。プレストを使用した場合の一回の乗車運賃は3ドルで、10ドルからオンラインもしくは最寄り駅にてチャージできます。一日・一週間パスもプレストにチャージできるようになっており、2017年内にメトロパスもプレストに移行する予定です。(詳しくはhttps://www.prestocard.ca/en)
さて実際に乗る際ですが、
▼地下鉄の乗車:自動改札と駅員のいる通常の改札があります。駅員の窓口を通るなら現金・チケット・トークン・パスなんでもOKですが、自動改札ならトークン、メトロパス、またはプレストのみ利用できます。駅に複数の入り口があって、そのうち一つが無人の改札口という場合があります。チケットしか持って無い場合はそこは通過出来ませんから、入り口でトークンを購入するか有人改札まで移動する必要があります。
乗車時にお金、トークンなどを払うと駅の改札を出る時には何もする必要は無く、ただバーを押して出るだけです。これに慣れすぎると日本に帰った時など、自動改札から出る時に切符を入れる事を忘れ、引っかかってしまいますので注意!
▼バス・路面電車:日本のバスと同じようにドライバーさんの前に小さな箱があるので、そこに現金、トークンを入れるか、メトロパスを提示します。ちなみにバスではお釣が出ないので、現金の場合、小銭でぴったり用意しましょう。 プレストの場合は 車内に設置されてあるプレストリーダーに乗車時のみプレストをタッチしましょう。 降車時にタッチする必要はありません。
バス停によっては、バス停に4桁の番号を持っているところがありますが、そのバス停を利用する場合、携帯電話のメッセージの宛先に898882を入力し、本文に4桁の番号を入力すると、次に来るバスの到着時間をメッセージで送信するというサービスがあります(GPSに基づいているので結構正確だし、とても便利!)
バスの場合は運転手から、駅の場合は改札入ってすぐの赤い発行機で乗り継ぎチケットが発行されます。いずれにしろ自分からチケットを入手しないと誰もくれたりしませんので、お忘れの無いように・・。チケットを受け取ってから一定時間(チケットに記載)指定された方向(乗ってきた方向には戻れない)に乗り継ぎ可能です。プレストの場合はバスから路面電車、路面電車から地下鉄など乗り換える際も再度自動改札機及びリーダーへのタッチが必要となりますが、運賃は1度しか発生しません。
- 片道:3.25ドル
- トークン3回分:8.70ドル
- トークン6回分:17.40ドル
- デイパス:12.50ドル
- ウィークリーパス:43.75ドル/週
- メトロパス:146.25ドル/月
- プレスト:3ドル/1回
また、所定の学校に通うとPost -Secondaryメトロパス(学生定期)を買える場合があります。(多くの語学学校では対応していません)このメトロパスを利用する際はサイン・写真付きのIDと共に利用する必要があります(自動改札はパスのみでOK)。持って無い場合は地下鉄Sherbourne駅にてTTC用のPhoto IDを作る事が出来ます。
図書館
トロントには約100の図書館が点在しています。場所によっては無料のインターネット、ビデオやDVDの貸し出しもしています。勉強机が配置され学習環境が整っている所も多い為、放課後の自習にも役に立ちます。各図書館の場所や開館時間などは以下のページで確認してみて下さい。
とりわけ留学生にポピュラーなダウンタウンの図書館はこちら。
789 Yonge St. (地下鉄Yonge&Bloor駅出てYonge沿いに北1ブロック右手)
【開館時間】
月~木曜 | :10:00-20:00 |
金~土曜 | :10:00-17:00 |
日曜 | :1:30~17:00(時期により変更) |
また4階には英語の参考書(英語表記ですが…)もありますし、日本語の本もあり、貸し出し可能です。日本語の本が懐かしくなった時などにおすすめです。
危険地域
トロントの治安は比較的安全です。とは言えここは日本ではありません。特に女性は夜に一人で見知らぬ地域や人気の少ない地域を歩く事は出来るだけ避けましょう。以下に、特に注意しておいた方がよいエリアを幾つか示します。この情報はカナディアン達に直接聞いた結果まとめたもので、留学生だけで無く彼らも注意している地域なのです。とは言えこの一帯でも昼間なら女性や子供もよく目にしますが、柄のよく無い人が比較的多い地域です。出来るだけ立ち寄らないようにしましょう。(特に夜間)
■ダウンタウン付近
- Dundas×Parliament
- Queen×Church(この付近のChurch St沿い)
- Sherbourne St一帯(Bloorから南)
- Jane×Finch(York Universityの側:かなり危険)
- スカボロ地区
トロント便利情報
日本食が恋しくなったら?
フィンチ、クリスティ駅の近くがいわゆるコリアタウンです。コリアタウンにある韓国系スーパーには味噌や醤油、だしの素などの日本の調味料、納豆、豆腐、うどん、そばなどの日本の食材が購入できます。また、寿司屋はSUSHI Restaurantとして町中にあります。日本の寿司と同一かは謎が残りますが、サーモンは美味しいです。
また、日本の居酒屋はとても人気。いつもカナディアンでごった返しています。
GUU居酒屋、ざっ串、金魚、Koyoi、Fin居酒屋などが人気です。
またラーメンもブームです。
こちらは日本からやって来た行列の店、山頭火を始め、きんとんラーメン、三草亭、雷神、りょう次などが有名。中国系のKENZOはリーズナブルです。
最近は焼き鳥屋や牛丼屋なども見るようになってきました。
みんなどんなところで遊んでいるの?
スパダイナ駅からクリスティ駅はAnexと呼ばれる学生街(女子力高めの雑貨屋さんやショップなど)〜コリアンタウン(安い居酒屋が多い)ではいつも留学生を見かけます。またダウンタウン最大のショッピングモール、イートンセンター(なんと赤毛のアンに名前が出てくるくらい歴史が古いお店の名前なんです)ではショッピングも出来ますし、フードコートでおしゃべりも出来ます。こちらはダンダス駅が最寄りになります。
お酒やタバコは?
トロントではLCBOという政府系のお店しかお酒を取り扱う事が出来ません。従ってコンビニでお酒は買えません!また、LCBOは休日、日曜日などは6時ごろにしまってしまうところもあるため、皆さん、事前に買いだめをしているようですね。タバコはお酒と違って、コンビニエンスストアで購入可能です。ですが、税金がとても高く、一箱10ドル以上!禁煙をお勧めします。また法律で、室内でタバコが吸えないため、外気が—20℃になる冬期でも外に行ってタバコを吸わなければなりません。やっぱり禁煙をお勧めします。
エスニックタウンってどんな物があるの?
代表的なものがチャイナタウン(Spadina×Dundas、その他多数)、コリアンタウン(Christie, Finch駅周辺)、リトルイタリー(College×Bathurst)、グリークタウン(ギリシャ)(Pape駅などDanforth St沿い)などなど。ほかにも小さな物をいれるとたくさーんあります。チャイナタウンでは安く美味しい中華料理を食べ、コリアンタウンでカラオケをし、デートでリトルイタリーに…と使い分けると良いかもしれませんね。
また夏場にはリトルイタリーフェスティバル、カリブフェスティバルなど国や地域にちなんだお祭りも多くなります。